FF14阿修羅装備(黒魔)の制作
普段作らないようなタイプのコスチュームを作っています。かたりぃなです。
今回は妻の発案でつくりはじめました。私自身は戦記ヒラ装備みたいな洋風の煌びやかなものが好みですが、妻の好みは私のそれとは対照的で、阿修羅装備(黒魔)が欲しいとのこと。もともと和服が好きらしいので、衣装のデザインを見せられたときに「なるほどねー」といった感じでした。
それにしてもFF14の装備品って立体的にできていて苦労させられます。まあこうやって構造とか考えながらあーでもないこーでもないと試行錯誤するのが楽しみではあるのですが。
そんなこんなで、まずは造形部分を作ってみました。衣装の形状を分析すると次のような造形パーツから成ります。
- 腕アーマー
- 肩当て
- 胴アーマー
- 腰アーマー
この中で作りやすそうな腕アーマーをさくっと作ってみました。さすがに慣れてきたのか、作業にかかった時間は一週間くらいです。
つくりかた
- 型紙を起こす
- 5mm厚ライオンボードを型紙に合わせて切り出す
- 切り出したライオンボードのフチを炎であぶって整える
- 1.5mm厚のライオンボードを5mm幅の短冊状に切り出す
- 4で作った短冊状のライオンボードを3のフチにボンドで固定して装飾にする
- 装飾の穴をあける
- ライオンボードを熱加工して曲げる
- ブラックジェッソで下地塗装
- クリスタルバーニッシュで仕上げ塗装
基本的にいつもどおりの手順なのですが、今回は黒魔用の衣装のためか全体的に真っ黒なので下地塗装は黒色のジェッソを使いました。
下地の様子をみて塗料を塗るつもりでしたが、下地だけできれいな黒色になったので、塗装せずにコーティングのみにしました。
仕上げのコーティングなしで大丈夫かもとか思ってましたが、コーティングなしだとパーツ同士がこすれたときに傷のようなものが残ってしまうのでコーティング剤を塗ることにしました。
コーティング剤は今回初めて試したアクリル絵の具用のクリスタルバーニッシュです。焼きを入れた金属のような光沢になって満足です。どうでもいいことですがクリスタルバーニッシュって必殺技っぽいネーミングですよね。
途中経過の写真を何枚かとってみたので載せてみます。
ライオンボードを切り出す
カッターの切れ味が悪かったせいか、カットした部分が毛羽立ったようになってしまいました。
次の工程でこの毛羽立ちはなくなるので気にしない。
炎であぶって毛羽立った部分を整える
フチの部分をあぶると毛羽立っていたりする部分が溶けて、このように目立たなくなります。
百均のライターでもいいのですが、仏壇用のローソクを立ててやったほうが作業しやすいです。ライターが熱くなって持つのが大変ってこともなくなりますし。
ちなみにこの処理をしておかないと、次の下地処理の段階で何度塗っても毛羽立ちが消えないという状況になってしまうので注意です。
装飾をつける(縁取り、穴あけ)
今回も5mmの幅のライオンボードをフチの装飾に使いました。
最下段のパーツだけは5mmだと幅が広すぎるので、その半分(2.5mm)にしました。
穴ははんだごでで開けられます。はんだごてが温まったらその熱でライオンボードを溶かすという使い方です。私は電子工作もやるので、次の2つの理由からそれぞれ専用のこて先を使い分けています。
- はんだ以外のものでこて先が汚れると電子工作に使いづらい
- はんだが衣装に移るのが怖い
また最下段のパーツは単純な丸穴なので、レザークラフト用のポンチであけました。レザークラフトの道具って色々使えて便利です。夜間に作業できないという欠点はありますけど、綺麗な丸穴はこっちのほうが仕上がりが綺麗です。
下地塗装と仕上げ
下地にはブラックジェッソ、ライオンボードの穴が埋まるまで何度も何度も塗り重ねます。凹凸が激しいところはその凹凸を埋めるようにゆっくりと何度も塗り重ねます。
ひととおり凹凸が埋まったら、ジェッソを水で適当に薄めて表面をならすように塗り重ねます。濃いままだと凹みにジェッソが入りにくいのか埋まりにくい気がします。
以前作った戦記装備は光沢を綺麗にするために表面にヤスリがけして滑らかにしましたが、今回は無しです。妻曰く「中世的な世界観だから、金属そのものが貴重だし、加工技術も発達していないから、多少は凹凸が残っているほうが味があって好き」らしいです。なんか説得力ありますね。
各パーツを塗装し終わるとこうなります。
完成
それぞれのパーツを接着材で固定して完成です。
造形にも慣れてきたのか、思ったよりも綺麗にできてびっくりです。
本家のデザインをよくみるとツノっぽい物体が出ていますが今回は無しで。ちょっと手間かかりすぎる予感がするので夏コミまでに余力があったらということで。たぶんないけど。
だって造形パーツはちまちま作っているけど本体の布工作のほうはまだ手を付けていませんし。
おまけ(腰アーマー)
剣道の防具でいうタレみたいなやつもついでに作りました。これは腰の左右の防具ですが、前後もまた別途つくります。
腰防具のデザイン上は腰回りをがっちりガードする構造ですが、そのままだと歩けなくなるので可動部を付けてあります。写真上のほうが腰にあたりますが、上から2つ目までのパーツはボンドでの接合ではなくレザークラフト用のカシメで止めました。これでイベント会場でも動きやすいと思います。
写真をよく見るとクリスタルバーニッシュの塗りムラがありますね……気が向いたらちょっと塗り重ねようかな。
それでは今回はこれくらいで。