catalina-cosplayのブログ

コスプレ衣装や小物制作に関するもの

FF14阿修羅武器(黒魔)九條の制作

FF14の阿修羅武器(九條)を3Dプリンタで出力してみました。かたりぃなです。

なんだかんだであっという間に完成したので途中経過の写真撮り忘れてしまいました。

 

作る手順はだいたいこんな感じです。

  1. Blenderモデリングする
  2. 3Dプリンタで出力できるようにデータ補正をする
  3. 出力可能サイズに分割する
  4. 3Dプリント
  5. 出力したオブジェクトの中空部分を埋めて強化する
  6. 接着剤で各パーツをくっつける
  7. ジェッソで表面処理+パーツの継ぎ目を埋める
  8. 塗装

モデリング自体は一か月くらい。プリントと後処理は1か月くらいです。

平日はまとまった時間が取れずにほとんど作業していないので、週末くらいしか作業はしていません。

各手順を簡単に説明します。

Blenderモデリングする

Blenderで適当にモデリングしていきます。後でやるデータ補正のことを考えて、ポリゴン関係がおかしくならないよう気を付けつつやります。

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3Dプリンタで出力できるようにデータ補正をする

blenderに付属のデータチェッカーで問題なくても、3Dプリンタ側のツールで受け付けられないこともあります。

Windows10には3D Builderという3Dプリント用のソフトがあるので、これで補正します。

3DBuilderが無い環境でも、クラウドサービスに補正ツールがあるので、これを使うことでも同じことができました。

https://tools3d.azurewebsites.net/

こちらもMicrosoftのサービスなので、利用にはMicrosoftアカウントが必要ですが、無料で利用できます。

補正された内容は次のようなものでした

  • ポリゴンのコリジョン部分のマージ
  • 裏返ってしまったポリゴンの削除

前者はモデリングした各パーツのマージで発生しているもので、起きないようにしたつもりでしたが、なかなか難しいようです。

後者はベジェ曲線のねじれや、モデリング時のモディファイアでの変形角度が急な部分で起きやすいです。

出力可能サイズに分割する

補正が完了したstlデータを再びBlenderにインポートして、3Dプリンタの出力可能サイズに分割します。このときまたデータを壊したりしないよう、モディファイアのブーリアンで分割します。

なぜかブーリアンできないこともありますが、オブジェクトの位置関係を変えてあげるとうまくいったりします。座標を変えるだけでうまくいくこともあるので、内部での計算時の浮動小数点誤差かなと推測しています。

3Dプリント

3Dプリンタの設定をして出力します。

一回で2~3時間くらいかかるので慎重にやります。

今回はABS樹脂を使用するので、プラットフォームから剝がれやすい(反りが出てくる)ので、ラフトをしっかりつけるなどの対処をしておいたほうが無難です。

成功パターンと失敗パターンを比較すると、ラフトの出力まで正常にできていれば、以降はだいたい最後まで出力できています。

出力したオブジェクトの中空部分を埋めて強化する

出力オブジェクトの設定で今回は中空にしました。ただ、こうしてしまうと強度的に不安でイベント会場とかのちょっとした衝撃で壊れかねません。

適度な強さになるよう、小さな隙間はグルーガンで埋め、大きな隙間にはスタイロフォームの切れ端を詰め込みました。

3Dプリントで表面が荒れてしまっている部分もここで修正します。

接着剤で各パーツをくっつける

最初は手っ取り早くアロンアルファでやろうとしましたが、どうもABS樹脂が溶けるらしく接着できませんでした。

接着面が広い個所はいつものG10ボンドで、小さな隙間はグルーガンで埋めます。

このグルーが突起になってしまうので家庭用リューターで削り落とします。

ジェッソで表面処理+パーツの継ぎ目を埋める

いつものジェッソ。塗るというよりも乗せていくように表面の凹凸を埋めていきます。

塗装

資料をよく見ると、光沢があるのは中央の球体部分だけなので、ブラックジェッソむき出しで行くことにします。
中央の球体は発泡スチロール球の表面処理をジェッソで行ったものにスプレーで塗装します。

 

完成

なんとか完成しました。

先端部分に金色装飾があるはずなのですが、今回は目的のイベントに間に合わなさそうなのでまた別の機会に作ることにします。

あ。飾り紐も必要ですね。

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今回使用した3Dプリンタ

安い買い物ではありませんでしたが、なかなかいい働きをしてくれました。

手作業でスタイロフォーム切り出すよりも早く正確に目的ものもを作れましたし、失敗してもデータさえあればすぐやり直しできるのがやっぱり強みですね。

最近ソフトウェアアップデートが入って3Dデータ補正機能が追加されたようですがまだ試していません。

次は天球儀とか作ってみたいですね。

3Dプリンター ダヴィンチ  1.0 Pro

3Dプリンター ダヴィンチ 1.0 Pro

 

 

3Dプリンタで着ぐるみコスプレ用の面を作る実験

3Dプリンタを購入したので色々試しています。かたりぃなです。

 

購入した3Dプリンタはこちら。

3Dプリンター ダヴィンチ  1.0 Pro

3Dプリンター ダヴィンチ 1.0 Pro

 

 

大き目サイズのオブジェクトも出せるし他社製フィラメントも出せるってことで、購入して色々試し中。

色々と設定いじって出力して遊んでいたところ、ふと思いました。

「いわゆる着ぐるみコスプレの美少女マスクだせるかも。」

思い立ったが吉日ということでさっそくやってみました。

 

適当な3Dモデルをダウンロードする

とはいえ、人の顔をモデリングできるほど私に美術の才能はありません。

そういえば結構前から某動画サイトで3Dモデル歌って踊らせたりというのが流行っていますね。

MMD(miku miku dance)のモデル配布されているものの中から適当に自分好みのモデルをチョイスしてダウンロードしました。

 

必要なモデルを取り出す

今回は面を作るのが目的なので、頭以外の不要なオブジェクトを削除します。

pmx-editerというMMDのモデル編集ソフトでマテリアル単位で削除しました。

髪とかも邪魔なので削除してつるつるの頭だけ残します。

そしてblenderで取り込み。アドオンの追加で少し手間取りましたがうまくできました。

取り込んだ結果こうなりました。

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プリントできる形に成型する

まず大まかな手順を整理するとこうなります。

  1. シェイプキーの削除
  2. 前面だけ残して不要な面を削除
  3. 大きさを調整する
  4. プリントしやすいようZ=0の位置に面の端をそろえる
  5. 厚み付けモディファイアを適用
  6. 目とか欲しければ目と頭本体をブーリアンで統合

以下、詳細です。

シェイプキーの削除

MMDモデルは変形などのためにシェイプキーが設定されています。主に表情などの切り替えで使うみたいですが、3Dプリントのために編集するには邪魔になるので削除しましょう。

blenderの画面右下のプロパティタブ->オブジェクト->シェイプキーを開きます。

ここに表示されているシェイプキーが残ったままだと、後述の厚み付けとかブーリアンのモディファイアが適用できないのですべて削除しました。

不要な面の削除

次にtabキーで編集モードに切り替えて、不要な頂点を削除しました。

大きさの調整

右下のプロパティタブ->シーン->単位系を選択してメートル法にする。

3Dプリントではオブジェクトに対するスケーリングは適用されないっぽいので、オブジェクト編集モードにして全頂点を選択後、スケールを変更して任意の大きさにします。

スケール変更後、オブジェクトモードに戻るとNキーで表示されるツールシェルの中の寸法がメートル法で表示されます。

印刷面をZ=0に合わせる

印刷する方向に面を回転させ、面の側面頂点をZ軸の0基準地点まで伸ばします

真横からの視点に変えて下端の頂点を全て選択、Eキーで任意の地点まで簡単に伸ばせました。その後、S,Z,N,0の順にタイプしてZの下端を揃えます。

 

 編集後のデータはこうなりました。

目がないせいか気味悪いですね……。

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3Dプリントしてみる

いきなり実際のサイズでやると失敗しそうなので試しに小さいサイズを出力してみます。実験なので粗目の設定で。

当然のように一回目は失敗してしまいました。

失敗の原因はラフトなしでやってしまったこと。

出力オブジェクトにはエクストルーダからのそれなりの力がかかるらしく、ラフトでプラットフォームにしっかり固定しないと厚みを付けていく段階でプラットフォームからはがれてしまいます。

ラフトを付け直してやりなおし1cmずつつけてみたところ、うまくいきました。

完成したものがこちら。

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これなら着ぐるみコスプレできるかも!

塗装(特に目のスフィアとか)をどうするかという問題もありますが、まずは出力できたので良しとします。

この3Dプリンタは武器や装飾品作りにも活躍しそうです。

3Dプリンター ダヴィンチ  1.0 Pro

3Dプリンター ダヴィンチ 1.0 Pro

 

最後にどうでもいいこと

pmx形式のMMDファイルは権利関係がややこしいので個人で楽しむレベルにしましょう。

pmx-editerのディレクトリの中にあるライセンス読むと分かるのですが、pmxファイルは商用利用禁止と書かれています。日本ではファイルフォーマットに著作権は認められないみたいな話があった気がしますが、触らぬ神に祟りなしです。

少なくとも今回は個人で楽しんでいるだけなので大丈夫でしょう。

では今回はこれにて。

FF14阿修羅装備(黒魔)の制作

普段作らないようなタイプのコスチュームを作っています。かたりぃなです。

今回は妻の発案でつくりはじめました。私自身は戦記ヒラ装備みたいな洋風の煌びやかなものが好みですが、妻の好みは私のそれとは対照的で、阿修羅装備(黒魔)が欲しいとのこと。もともと和服が好きらしいので、衣装のデザインを見せられたときに「なるほどねー」といった感じでした。

それにしてもFF14の装備品って立体的にできていて苦労させられます。まあこうやって構造とか考えながらあーでもないこーでもないと試行錯誤するのが楽しみではあるのですが。

そんなこんなで、まずは造形部分を作ってみました。衣装の形状を分析すると次のような造形パーツから成ります。

  1. 腕アーマー
  2. 肩当て
  3. 胴アーマー
  4. 腰アーマー

この中で作りやすそうな腕アーマーをさくっと作ってみました。さすがに慣れてきたのか、作業にかかった時間は一週間くらいです。

 

つくりかた

  1. 型紙を起こす
  2. 5mm厚ライオンボードを型紙に合わせて切り出す
  3. 切り出したライオンボードのフチを炎であぶって整える
  4. 1.5mm厚のライオンボードを5mm幅の短冊状に切り出す
  5. 4で作った短冊状のライオンボードを3のフチにボンドで固定して装飾にする
  6. 装飾の穴をあける
  7. ライオンボードを熱加工して曲げる
  8. ブラックジェッソで下地塗装
  9. クリスタルバーニッシュで仕上げ塗装

基本的にいつもどおりの手順なのですが、今回は黒魔用の衣装のためか全体的に真っ黒なので下地塗装は黒色のジェッソを使いました。
下地の様子をみて塗料を塗るつもりでしたが、下地だけできれいな黒色になったので、塗装せずにコーティングのみにしました。
仕上げのコーティングなしで大丈夫かもとか思ってましたが、コーティングなしだとパーツ同士がこすれたときに傷のようなものが残ってしまうのでコーティング剤を塗ることにしました。
コーティング剤は今回初めて試したアクリル絵の具用のクリスタルバーニッシュです。焼きを入れた金属のような光沢になって満足です。どうでもいいことですがクリスタルバーニッシュって必殺技っぽいネーミングですよね。

 

途中経過の写真を何枚かとってみたので載せてみます。

ライオンボードを切り出す

カッターの切れ味が悪かったせいか、カットした部分が毛羽立ったようになってしまいました。

次の工程でこの毛羽立ちはなくなるので気にしない。

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炎であぶって毛羽立った部分を整える

フチの部分をあぶると毛羽立っていたりする部分が溶けて、このように目立たなくなります。

百均のライターでもいいのですが、仏壇用のローソクを立ててやったほうが作業しやすいです。ライターが熱くなって持つのが大変ってこともなくなりますし。

ちなみにこの処理をしておかないと、次の下地処理の段階で何度塗っても毛羽立ちが消えないという状況になってしまうので注意です。

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装飾をつける(縁取り、穴あけ)

今回も5mmの幅のライオンボードをフチの装飾に使いました。

最下段のパーツだけは5mmだと幅が広すぎるので、その半分(2.5mm)にしました。

穴ははんだごでで開けられます。はんだごてが温まったらその熱でライオンボードを溶かすという使い方です。私は電子工作もやるので、次の2つの理由からそれぞれ専用のこて先を使い分けています。

  1. はんだ以外のものでこて先が汚れると電子工作に使いづらい
  2. はんだが衣装に移るのが怖い

また最下段のパーツは単純な丸穴なので、レザークラフト用のポンチであけました。レザークラフトの道具って色々使えて便利です。夜間に作業できないという欠点はありますけど、綺麗な丸穴はこっちのほうが仕上がりが綺麗です。

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下地塗装と仕上げ

下地にはブラックジェッソ、ライオンボードの穴が埋まるまで何度も何度も塗り重ねます。凹凸が激しいところはその凹凸を埋めるようにゆっくりと何度も塗り重ねます。

ひととおり凹凸が埋まったら、ジェッソを水で適当に薄めて表面をならすように塗り重ねます。濃いままだと凹みにジェッソが入りにくいのか埋まりにくい気がします。

以前作った戦記装備は光沢を綺麗にするために表面にヤスリがけして滑らかにしましたが、今回は無しです。妻曰く「中世的な世界観だから、金属そのものが貴重だし、加工技術も発達していないから、多少は凹凸が残っているほうが味があって好き」らしいです。なんか説得力ありますね。

 各パーツを塗装し終わるとこうなります。

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完成

それぞれのパーツを接着材で固定して完成です。
造形にも慣れてきたのか、思ったよりも綺麗にできてびっくりです。

本家のデザインをよくみるとツノっぽい物体が出ていますが今回は無しで。ちょっと手間かかりすぎる予感がするので夏コミまでに余力があったらということで。たぶんないけど。

だって造形パーツはちまちま作っているけど本体の布工作のほうはまだ手を付けていませんし。

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おまけ(腰アーマー)

剣道の防具でいうタレみたいなやつもついでに作りました。これは腰の左右の防具ですが、前後もまた別途つくります。

腰防具のデザイン上は腰回りをがっちりガードする構造ですが、そのままだと歩けなくなるので可動部を付けてあります。写真上のほうが腰にあたりますが、上から2つ目までのパーツはボンドでの接合ではなくレザークラフト用のカシメで止めました。これでイベント会場でも動きやすいと思います。

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 写真をよく見るとクリスタルバーニッシュの塗りムラがありますね……気が向いたらちょっと塗り重ねようかな。

それでは今回はこれくらいで。

【コスプレ】FF14のタイラスを作ってみた

作業に夢中になっていると途中経過の写真撮るのを忘れがちです。かたりぃなです。

今回も3D切削加工機でスタイロフォームを削って作りました。

 

そんなこんなで、やっと完成しましたよ。タイラス。

完成写真

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向かって右上の翼が外れかけていますね。。。

翼の固定方法は色々と試行錯誤した結果、本体内部でハリガネをヒートンに差し込む形で固定したのですが、これが限界でした。

今回初めて知ったのですが、物をつりさげるための固定具の金具ってヒートンって名前なんですね。

ヒートン (金具) - Wikipedia

ちなみに、ヒートンと比較して開いているものは「よーとう」、直角に曲がっているものは「よーおれ」と呼ぶらしいです。

 

接着材で翼と本体を完全に固定してしまえば安定するのですが、そうすると持ち運びが不便極まりないです。

個人でやるコスプレってこういうところで苦労しますね。

 

 

作り方手順

  1. スタイロフォームを切削機で加工して翼のパーツを制作
  2. 加工したパーツをボンドでくっつける
  3. 翼の金色着色する部分と白色部分の境界部分をリュータで削る
  4. 全体をジェッソで下地塗装します
  5. 接着部分などの凹凸を削って埋めてを繰り返す
  6. ジェッソの上からグロスメディウムを塗装してつやを出す
  7. エアブラシで塗装
  8. トップコートで塗膜保護+つや出し
  9. レンズを加工するために塩ビ板を切り出します
  10. 切り出した塩ビ板をヒートプレス加工して丸みを出す
  11. 一枚では透けてしまうので複数枚の塩ビ板を加工して重ねます
  12. レンズ取り付け用の磁石をレンズと本体に接着します

 

途中経過の写真の数が1枚しかないので、工夫したポイントを重点的に書いてみます。

 

3D切削機を使うメリット

今回もまだ慣れない3Dモデリングだったので「基本的な形状だけ機械で作っておいて、細かい模様などは後から手で直したほうが早い」と思っていました。

ただ、最近あちこちで見かける3Dプリンタの熱溶融方式では一般的に内部が空洞となり、「後から削って修正する」という手段を取りづらいということは聴いていました。

そこで3D切削加工機でスタイロフォームを削るという方式を取りました。

スタイロフォームは使い慣れているので、後から模様を彫ったりするのも簡単にできます。

そんなこんなでスタイロフォームを加工し終わったところです。

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今回もこちらの工房の機械をお借りしました。

http://makers-base.com/tokyo/

 

レンズの取り付け方法

レンズは磁石の磁力を使ってくっつけることにしました。

接着材で固定してしまうと、後述のギミックを埋め込むための加工が難しくなってしまうからです。

レンズ自体には負荷がかかることはまずないので、百均で売っている磁石で十分接着できました。

接着はグルーガンで。樹脂をたっぷりと磁石が動かないくらいに出して固定します。

 

光らせたい!

現状では未実装なのですがゲーム中では光っているように、構えた時に光らせるとかやりたいです。

写真には写っていないのですが、内部で配線だけは済ませてあります。

スイッチは本体装飾の下のほう埋め込み済みで。

あとは電子回路の制作と輝度の調整をすればできそうです。

 

感想

物を作るのって楽しいですね。

3Dモデリングにも慣れてきたので3Dプリンタ買ってしまおうかとも思っているのですが、なかなか踏ん切りがつきません。

最近主流の熱溶融方式の3Dプリンタだとフィラメント(3Dプリントする原料。ふつうのプリンタでいうインクみたいなもの)がお高いので、悩み中。

 

ものを作る・売るということ

こういうモノ作っているという話をすると「売れるんじゃない?」と返されることがあります。確かにパっと見のインパクトから売れるかもしれません。

ただ今回作ったFF14のタイラスは試行錯誤にかかった時間+工房の利用料金などを含めると、現実的な数字には到底ならないです。

そんなこんなで自宅に3Dプリンタ欲しいなと思っている次第。

 

さて、ものを売る・買うの話になると誤解されやすいのですが、「大儲けしたい」みたいな欲望は私は持っていません。そもそも、お金儲けを目的にするのってコスプレの本来の楽しみ方とは違う次元のお話だと思っています。

こういった売り買いの話になると業者の存在について語られることがありますが、業者製の衣装でイベント参加している方も大勢いるので、衣装業者自体を否定するつもりはありません。

コスプレ衣装の業者様は「手作りできないからと諦めていた人たちでもコスプレイベントに参加できるようになった」という大きな功績を収めていると私は考えています。

対して、私のコスプレ衣装やアイテムづくりの根底にある思いは「その作品・キャラが好きだから、自分が欲しいものを現実世界で形にしたい」といったところです。誤解を恐れずに表現するなら「大人のごっこ遊び」です。

私にとってはイベント会場で自分が作ったものを見て「あのキャラだ!」とか反応してもらえるだけで充分幸せですし、同じジャンルの人とあわせ写真とったりすることが何より楽しいです。

もし売るとしても、今の私の力ではせいぜい「材料費と手間賃を出すので、同じものもう一本つくれませんか?」に応えるのがギリギリなんじゃないかなぁと思います。

FF14タイラスの制作(先端部分の装飾)

コスプレ用に作っているタイラスが少しずつ形になってきました。かたりぃなです。

今更ですがタイラスって何かの生命体がデザインのベースになっているのでしょうか。フクロウっぽい?

 

さて、今回はタイラスの杖先端部分の飾りの塗装です。
ほとんどのパーツは切削型3Dプリンタで削りだしたので、人力でやる作業はパーツの組み立てと塗装くらいです。

今回の作業で一番大変なのは塗装の下準備でした。

 

作り方手順

  1. blenderモデリングします
  2. モデリングしたデータをSTL形式でエクスポートします
  3. 切削機にSTLデータを流し込んでスタイロフォームを削っていきます
  4. 削り終わったスタイロフォームのパーツを組み立てます
  5. 組み立て時に出た誤差を補正するため、表面の段差が目立つ部分をリューターで削ります
  6. ジェッソで塗装下地処理しつつパーツの隙間を埋めます
  7. ジェッソの表面の凹凸を無くすために紙やすりで削ります
  8. ジェッソが乾燥したらグロスメディウムを全体に塗ります
  9. グロスメディウムが乾燥したらマスキングテープで金装飾以外の部分をマスクします
  10. 今回の塗装は2段階です。まずガイアノーツのブライトゴールド(品番010)で全体を塗装します
  11. 次にガイアノーツのパールゴールド(品番132)で輝きを調整します

 

スタイロフォームの塗装

スタイロフォームを塗装するのは今回が初めてでしたが、ライオンボード塗装で失敗した時の教訓が活かせたと思います。

特に凹凸がなくなるまでしっかりと塗りたくっていくあたり。

スタイロフォームを切削加工すると、装飾の凹凸などの形状が複雑な部分はどうしても表面が毛羽立ってしまいます。

ライオンボードの下地処理に比べて、体感で2倍くらい下地処理の時間をかけた気がします。

 

マスキングテープでのマスキング

マスキングテープは太さなどが異なる種類がいくつもあります。

広い範囲を覆うときはマスキングペーパー(マスキングテープにマスキングペーパーがくっついたもの)を使い、細かい部分を覆うときは細めのマスキングテープを切って調整しながら張っていくとうまくできました。

細かい作業が続くとどこかで手抜きしたくなりますが、失敗した時のリスクを考えると、しっかりと細部までやっておいたほうがよさそうです。

 

マスキングして塗装まで終えたときの写真がこちら

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塗料の組み合わせ

FF14のゲーム画面でタイラスを見ると、若干くすんだ金色でした。

そこで、今回は2段階で塗装して風合いを調整しました。

前回作成した戦記装備(ヒーラー)のアーマーの金色塗装でパールゴールドが思ったほど発色が良くない(幾度も重ね塗りが必要)ということがわかっていたので、一段階目でくすんだ金色を、2段階目で煌びやかな金色を塗ることにしました。

2段階目の金色(パールゴールド)を吹く量を調整することで、風合いを調整できました。

このやり方が正しいのかどうかわかりませんが、イメージに近い金色が再現できたので個人的には満足です。

 

タイラス先端部の装飾パーツ完成

完成したものがこちら

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側面に空いている穴は翼のようなパーツを差し込むための穴です。

あと前面にレンズのようなものを付ける予定ですが、内部から照らせるようにしようかと思っています。ゲーム内では点灯・消灯の2パターンしか無さそうなので、単純なLED点灯回路とスイッチだけで済みそうです。

 

今回はここまで。

コスプレ ff14戦記装備(デイスターローブ) 前掛けの装飾の制作

戦記(ヒーラー)装備つくってます。かたりぃなです。

今日は前かけ(ふんどし?)部分の装飾を作ってみました。

完成図

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この前かけは後ろからは見えない(ローブのスカートがある)ので、表面だけ布張りをしています。裏面はライオンボードむき出し。

 

材料

本体表の白色:デイスターローブにも使っている生地
本体裏:ライオンボード3mm厚
本体表の金色:合皮(金色)
中央赤色の装飾:塩ビ板(赤)1mm厚
接着材:グルーガン、瞬間接着剤

 

基本の作り方

  1. 型紙にそってライオンボードと白色の布を切り出す
  2. ライオンボードと布をグルーガンで接着
  3. 合皮(金)を5cm幅の帯状に切り出す
  4. 3の帯状の合皮を白色の布のフチに接着材で固定(表面同士くっつける)
  5. 帯状の合皮を折り返して裏面のライオンボードに接着材で固定
  6. 白色の布を装飾の型紙より少し大きめに切り出す
  7. 6で作ったものを型紙と同じ大きさになるよう切り端を折り返してグルーガンで固定
  8. 7で作った模様を本体の表面にグルーガンで接着
  9. クリスタルパーツを作って瞬間接着剤で固定

基本的な装飾パーツの作り方ですね。

今回はクリスタル部分の制作がうまくいったので、詳しく解説します。

 

クリスタルパーツの作り方

今回の戦記(ヒーラー)のデイスターローブには赤色のクリスタルが多く使われているので、この部分は塩ビ板のヒートプレス加工で作ることにしました。

最初はレジンに挑戦しようかとも思ったのですが、ローブの裾のクリスタルだけでも26個もあって、全部レジンでやると金銭的にも物理的にも重すぎるので…。

ヒートプレス用の型作りも手抜きでやっていますが、レジンに比べて安く早くできるというメリットがあります。

 

ヒートプレスとは?

これはガンプラの本を読んで知った手法です。

あらかじめ作っておいた型に、熱して柔らかくなったプラ板を押し当てて形状を複製する。という手法です。

動画サイトなどを見ると手順が詳しく説明されているので参考になるかと思います。

 

ヒートプレス用の型づくり

私は美術が苦手だったので粘土などで型を作るのはまず無理です。

そんな私でも少し工夫して型をつくることができました。

まず工作用紙をカットして、目的の形になるようにセロハンテープでくっつけて組み立てます。

紙なのでトライ&エラーが簡単にできます。

目的の形になるよう何度もカットと接着して、納得できる形になったら改めて工作用紙から型を切り出します。

 

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ヒートプレスでは底の面がどうしても丸くなってしまいがちなので、型は若干大き目に作っておくと綺麗な形に仕上がりやすいです。
(底面付近の丸くなってしまった個所は加工した後で切り捨てる)

さて、このままヒートプレスしてしまうと圧力でつぶれてしまうので、内側をグルーガンでカチカチに固めます。空洞が残らないようにグルーガンを塗る順序に気を付けましょう。

 

ヒートプレス加工

このあたりの手法はすでにあちこちのサイトで紹介されているので説明は省略します。

ただ慣れるまではどうしても失敗が付きものです。何度か練習してコツをつかむまでは綺麗に形が出ませんでした。

 

ヒートプレスの後処理

加工後のプラ板をホットカッターでカットします。

カッターやハサミでもいいのですが、ホットカッターのほうが力を入れなくてもスっと切れるので失敗しにくいです。

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型自体を大き目にしてあったので、目的の形になるまで少しづつ切り詰めていって完成です。

 

ヒートプレスでのコスプレ衣装制作まとめ

今回はガンプラの資料を参考にヒートプレスで作った装飾品制作手法の特徴を整理します。

安価で短時間でできる

プラ板一枚は数百円です。また型に使った工作用紙や型の補強に使ったグルースティックも百均で揃えました。

型を作るのに1時間程度。この型からパーツを3つ加工して切り出すまで2~3時間でした。

レジンだともっと手間暇かかりそうです。(私がまだ慣れていないというのもありますが)

 

型の寿命が短い

グルースティックで作っている特性上、どうしても熱で溶けてきてしまいます。

特にヒートプレスするときに熱いプラ板を押し当てて圧力をかけることで歪んでしまいます。

今回の型では7~8個作るとダメになってしまいました。

一個作るごとに形を修正するのもテですが、型の作りなおしができるように型紙をコピーしておくとよさそうです。

 

プラ板の色が変色する

熱加工する特性上、プラ板がどうしても変質します。これにより、店頭購入した時よりも色が全体的に黒っぽくなってしまいます。

色にこだわるのであれば無色のプラ板を加工してから塗装したほうがよさそうです。

 

さて、目的のものが完成したので今日はこのあたりで。

タイラスを切削型3Dプリンタで出力

タイラス作ってます。かたりぃなです。

 

まずはじめに。今回使っている3Dプリンタは切削型です。(ROLAND社のMDX40A)

巷でブームの3Dプリンタ(積層型)との違いをメインにどんなものかを紹介しようと思います。

また、今回作ったパーツを写真付きで紹介します。

 

とりあえず出力してみたタイラス(FF14)の装飾部分の画像。いい感じに形になってきました。

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形ができてくると嬉しいしモチベーションアップにもつながるので良いですね。

 

3Dプリンタ(切削型)って?

私見を含めて、巷でブームの3Dプリンタとの根本的な違いを説明します。

 

まず最近騒がれている積層型は材料(フィラメントなどと呼ばれる)を溶かして、目的のものを作る3Dプリンタです。

小さな積み木を積み上げていくイメージですね。コスプレイヤーがよく使う手段のグルーガンで模様を描くのをパーツ全部でやるくらいの感じ。

それに対し、切削型3Dプリンタは材料を削って目的のものを作る3Dプリンタです。

イメージとしては、丸太を拾ってきて仏像を彫りあげるみたいな。

 

どちらにも一長一短あると思いますが、私が切削型を選んだ理由などを交えて簡単に整理します。

3Dプリンタ(切削型)のメリット

大きなものを作れる

シェア工房などで個人が利用できる3Dプリンタの範囲で調べた限りでは、積層型では10cm四方など小さなものしか作れないことが多いです。

切削型では厚みにこそ制限がありますが、30cm x 30cmといったものを削ることができます。

特に今回のタイラスでは球体部分だけで15cm x 20cmといったサイズなので、パーツ分割と結合が結構大変なのではないかと思います。

ただ、切削型でも厚み制限があるので、パーツ分割はどうしても必要になってきます。

 

肉抜きという手間がいらない

今回のタイラスでは、見た目の装飾を重視しています。特に凹凸部分を綺麗に出せるのは3Dプリンタならではです。

3Dプリンタ(切削型)は材料を削ってものを作り出すという特性上、内側(裏面)は印刷しないのであればただの一枚ポリゴンでデータを作ってしまっても良いです。

対して積層型では全部を出力すると材料が莫大に必要になってしまうので、「肉抜き」という作業が必要になります。

今回のタイラスの装飾では中空にするつもりなので、裏面は加工せずに時間短縮しています。

 

3Dプリンタ(切削型)のデメリット

加工できない形状がある

今回使用した3Dプリンタ(積層型)らドリルで削るものです。これは、加工の方向を考えてあげないと、削れない部分があるということです。(凹凸の隙間が削れないことがある)加工するためのドリルは素材の真上からしか降りてきません。コの字型になった窪みは削れないということになります。

 

ごみが大量に出る

今回スタイロフォームを削りだしてみましたが、驚くくらい大量のゴミが出ます。

スタイロフォームはそれほど高い素材ではないので良いのですが、ケミカルウッドや木材の加工になってくると、削って捨てる部分が多くなればなるほど材料費に跳ね返ってくるので、注意が必要です。

 

ゴミの量は、この写真のように粉末が大量に飛び散ります。

粗削り作業中

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仕上げ作業中

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積層型と切削型どっちがいい?

色々と書きましたが、ぶっちゃけ私自身積層型を使ったことないので、一概にどちらが良いとは言い切れないと思います。ただ、シェア工房などで利用できる3DプリンタやCNC(切削型3Dプリンタはどちらかというとこの部類に入る)と呼ばれる機械では大きさ制限というものがついてくるので、

「何をしたいか」が明確になっていれば工房で相談してみるのが一番だと思います。

 

初めての3Dプリンタ(切削)で躓いたポイント

最後に、パーツをいくつか削り出してモノができつつあるので、ここまで来るのに躓いたポイントなどを整理します。

 

出来上がったパーツを接着材でくっつけて下地処理を始めたところです。

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形が見えてくると嬉しいですね。

ちなみに中央のレンズを付ける部分には透明アクリルを取り付けて、内部からLEDなどで点灯させる予定です。

加工可能サイズの制限

ほとんどの失敗ケースはこれです。素材の厚みによってドリルの長さが制限されるため、加工可能なようにパーツを分割する必要があります。

ワークテーブルの加工可能厚みは9cmくらいあるのですが、ここに作業用の台座をおく必要があり、素材はその台座の上に置きます。

5cm厚のものを置くと、ドリルは3~4cm程度しか露出できないので、これが加工可能範囲に影響してきます。

単純な例では「穴をあけようとするとドリルの根本がぶつかる」「凹凸の差が激しい形状でもドリルの根本が凸部分にぶつかる」など。

これはパーツ分割を工夫して解決しました。

 

加工時間が長い

ドリルを移動するという制約上、どうしても加工時間が長くなりがちです。

解決策をいくつかあげておきます。

  1. 加工する方向を変える
  2. 両面加工ではなく、支えナシの片面加工を2回する

などです。

どちらも目的は「ドリルの不要な移動回数を減らす」ことにあります。

まず、加工する方向を変えるという話。

ドリルの動きを見ると、だんだんと深い階層へと彫り進めていく動きをしていることに気づきました。同一階層で2回切削する必要があるときは、一旦ドリルが上がります。

ということは、同一階層の切削を一度で済ませられるようにモデルの向きを変えてあげれば、不要な移動がなくなるので加工時間が短くなります。

また両面加工ではその特性上、支えが必要になります。(支えがないと切り出したものが落ちてしまう)

この支えがクセモノで、「この部分は削ってはいけない」ものとして扱われます。

つまり、ある深さの個所を切削していて支えの隣まで来たとき、ドリルの移動停止、上昇、支えを超えるように移動、ドリルの下降という動作が行われます。体感で3秒程度です。

これが一度だけであればいいのですが、切削型3Dプリンタは深い階層へ順に加工を行うように進んでいくので、1mmずつ切削、支えは一番浅い場所に4方向つける、30mm地点が最深部という条件下では、30*4*3秒もの時間が不要にかかることになります。

 

とりあえずノウハウはこのあたりで。

だんだんと形ができてきたので完成目指してがんばろー!